ホスピタリティ フィーチャー

Pizza 4P's ハイフォン

2020年12月竣工
用途: レストラン
敷地面積: 390m2
延床面積: 840m2
住所: 10  Vo Nguyen Giap street, Hai Phong city, Vietnam
クライアント: 4P's Corporation

Pizza 4P’sアークパビリオン

首都ハノイから100kmほど東へ。紅河の河口に位置するハイフォンはベトナム北部で最大の港を擁し、物流と工業のハブである。「Pizza 4P’sアークパビリオン」は新設されたイオンモールの一角に独立棟として設計された。

ハイフォンの工業都市としての特徴と価値を取り込み、新都市エリアにシンボリックなモニュメントをつくるため、人と物とが集積する巨大な港のようなショッピングモールに、都市の記憶を載せて係留された方舟(アーク)としてデザインした。

立体的ランドスケープがいざなうアプローチ

メインエントランスは2階とし、立体的なランドスケープをアプローチとした。前庭のフラワーガーデンに設けたスロープをゆるやかに登り、建物内部に入る。ショッピングモールの天井より高い9mのダイナミックな吹き抜け空間をダイニングとした。中心に位置するピザオーブンの上部に北向きに向けた大小9つのハイサイドライトが柔らかい光を大空間に取り込む。窓先にはベンジャミンの木が植えられ、強烈な南国の日差しから建物を守る自然の屋根へと育っていく。葉を透過した優しい光がダイニングエリアへ落ち、風に揺れる梢が食事の時間に目を楽しませる 。

ハイフォンの街の素材を照らしだす光と触感

工業港湾都市ハイフォンでは様々な工業素材が手に入る。そのテクニカルな質感を光とともに空間の演出に用いた。エントランスドアを開けると、金属のチェーンカーテンがゲストを迎える。さらに、大きさや形状の異なる鎖をファサード、手摺、登攀植物のサポートなどに用いた。ハイサイドライトと縦スリットの窓から入ってきた光がこれらの鎖に反射し、刻一刻と変わる自然光を映し出す。

[デザインクレジット]
建築設計: 丹羽隆志アーキテクツ
デザインチーム: 丹羽 隆志, 高橋 京平, Nguyen Van Khuong, Akash Ganguly, Lakshay Jasoria, Rhiddhit Paul, Jules Seguineau, Tran Quang Duc
設備設計: SMT Viet Nam Construction Joint Stock Company

[工事]
建築: Obayashi Vietnam Corporation
インテリア: CYN Furniture joint stock company, Think Playgrounds
テナント・コーディネーション: SEMBA VIETNAM CO., LTD

[写真]
大木 宏之